昨年、比較的うまくできた大根ですが、今年はほぼすべてのものが又根になってしまいました。原因を特定することはできませんが、いくつか思い当たる又根対策を記載していきます。
- 種をまく前に、土を十分に掘り起こし、柔らかくしておく。
- 水やりについては、発芽直後から初期段階で極端な乾燥や逆に水に浸かるような状況は避ける。
- 種をまくときは直播きする。植え替えをしない。また、1cmほどの深さとあまり深くは植えないが、雨などで流れないように、埋めたあとに地面を手のひらで押して圧着する。
種まき
土を耕し柔らかくする
大根は、発芽後に根が深く伸びるのですが、その過程で障害物があるとまっすぐ伸びることができず又根になると言われています。
そのため、土を柔らかくするため、種をまく前にスコップなどで地面を掘り起こしました。しかし、今回借りている畑の土はすぐに固くなりがちでした。これが又根になった原因の一つと考えています。
腐葉土や籾などをすき込み、土を柔らかくする対応が必要だったと考えています。
直播きする
種まきについては、1つの種が順調に育つとは限らないので、マルチに空けた1つの穴に4,5個ほどの種をまき、成長にあわせて徐々に間引きをします。
また、大根の場合、直播きすることが重要です。もし、発芽後に植え替えをすると又根になってしまいます。
以前、子供がカップで大根を発芽させ、畑に植え直したことがあるのですが、見事に又根になり、かつトウ立ちして花が咲いてしまったことがあります。大根も美味しくなかったです。
大根は、発芽後の初期段階が重要なようで、植え替えや、成長に必要な条件が欠けてくるとその後の成長に影響するようです。
種が流れないように圧着する
大根の種は、1cmほどの深さとあまり深く植えないのですが、そのため大雨が降ると種が流れてしまうことがあります。植える前に土を手で押して平らに固め、さらに植えたあとも圧着したほうが良さそうです。
今回、写真を撮り忘れてしまったのですが、種まき後の数日は大雨が降り、いくつかの種は流れてしまいました。また、残ったものも少し動いてしまったのではないかと思います。これも、又根になったと理由として筆者が考えていることです。
発芽
9/22。大根の双葉が出てきました。いつものとおり、黒マルチを掛け、防虫ネットを掛けています。大根は、アブラムシが付きやすいので、種をまいたときから対策しました。
【9日目】発芽から9日目の10/1。本葉が伸びています。種をまいた直後はかなり雨が降ったのですが、その後はあまり雨が降りませんでした。
【18日目】10/10。概ね順調に育っているように見えます。大根はアブラムシが付きやすいので、ネットをかぶせ、ピンチもつけています。
アブラムシ対策
【34日目】10/20。少し生育が遅いように感じますが、ここまで大きくなりました。一見すると特に問題がなさそうですが、どうも生育にばらつきが大きいです。
さらに、枯れかかっているものもあります。
ネットを外して見ると、アブラムシがびっしりついています。防虫ネットをしていたので、やや油断してネット越しに中の様子を見ていたのですが、葉の裏にこんなにアブラムシが付いていたとは。。。この株とかぎらず、他の枯れていない株にもアブラムシが付いていました。生育が遅いのは、おそらくこのためではないかと思います。昨年、この時期に栽培した大根は、それほどアブラムシがつかなかったのですが、今年との差は不明です。
こちらも、葉の裏をめくってみると、結構アブラムシが付いています。
アブラムシ被害が発生している場合は、この写真のように黒マルチの上に一杯白い粉のようなものが落ちています。はじめは土かと思っていましたが、これもアブラムシが発生している兆候であることに気づきました。
アブラムシ対策については、別途記載していますので、以下を参照ください。
【41日目】11/2。上記のアブラムシ対策の結果、ほぼ駆除できました。しかし、油断するとすぐにアブラムシが付きますので、定期的に葉の裏を確認し、同様の対応を継続する必要があります。
【44日目】11/5。大根らしいものができてきました。しかし、今年は小さいです。
間引き
【48日目】11/9。本来間引きはもっと早い段階で行うのが普通だと思います。
筆者は、どうしてももったいない感覚があり、大根が大きくなるまで、なかなか間引きできません。とはいえ、あまり遅れると大根同士の間隔が狭く養分の取り合いになり、成長が遅くなります。また、大根同士が接触すると傷になります。
昨年、大根を育てた場合は、直根でしたので比較的多くなるまで放置していましたが、今年はどうも根が浅く、少し触るとグラグラするほど安定しないです。大根同士がかなり近接してしまっているので、間引きを行いました。
オレンジ色のピンと比較すると、何となく大きさを推測できるかと思います。
右側の大根は、特にはげしく又根になっています。
【58日目】11/19。なかなか立派そうな大根に見えますが、右側に小さくヒゲ(分岐)しているものが見えます。どうもこれも又根になっているようです。
収穫
【66日目】11/27。収穫を始めてみました。土から上に出ている部分だけをみていると、なかなか立派そうに見えたのですが、深くまで成長していません。かなり激しい又根にもなっています。
【80日目】12/11。これも、土から出ている部分は立派そうでしたが、地中部分が伸びていません。今年はひどい。。。
ちなみに、前年の12/15に収穫した大根は以下です。新聞紙の半分ぐらいの大きさですが、真っ直ぐに伸びています。アブラムシの被害も少なく、葉の部分も食すことができました。
【114日目】1/14。これは比較的真っ直ぐですが短いです。
氷点下前後の寒さになると葉が枯れてきます。こうなってくるとあまり成長は見込めません。ただ、根の部分まで腐るわけではないので、貯蔵目的でしばらく畑に植えたままにしました。
昨年は2月ぐらいまで植えたままにしていましたが、今年は1月下旬になると根の部分も黄色くなり始め、味も落ちてしまいました。
前年の1/16のものです。比較すると今年は残念な出来です。葉の部分からして今年は黄色い部分が多く、こうした葉の状況が根の発達に影響してしまったとも考えられます。
昨年と今年の同時期を比較すると、雨量が少ないことがわかります。以下のグラフで、昨年が青、今年がオレンジです。発育不良はこれも関係しているかもしれません。
平均気温はあまり差がないように見えますが、敢えて言うなら、今年は発芽した9月は平均気温が高く、生育する10〜11月にかけて気温が低くなる傾向にありました。
これが、生育やアブラムシの発生に関係していたのかは、筆者の知識ではわかりませんが、多分、あまり関係ないように思います。
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